様々な国の練習方法から学べる、理想の運動指導法
最近、様々なスポーツに関するニュースが報じられている。
その中で、指導方法に関係するニュースは特に話題になったのではないだろうか。
今回のテーマは『練習方法』です。
これには、練習時間、活動量、休息、活動目的、練習内容などが含まれています。
2020年、東京オリンピックが開催されます。
各国の人々が日本のスポーツ状況に関心をもっているのはないだろうか。
日本のスポーツ界が指導の面で、海外から厳しい意見をいただかないためにも、
この機会に見直してみるべきである。
様々な国の練習方法
3か国を例にあげて、練習方法を比べてみます。
イタリアのある町にあるサッカーチームでは、以下のような練習方法をしている。
・1回90分の平日練習が週2日
・週末にホーム&アウェイの方式のリーグ戦が1日
・朝練や居残り特訓がない
・走り込みや筋トレをしない
・目的を明確化し、休息に時間をあてる
・試合でパフォーマンスを発揮することを逆算してメニューを組む
また、私が留学していたアメリカの大学では、イタリアとは違う練習方法をおこなっている。
・シーズン前に筋トレ中心の身体作りトレーニングを週2,3日行う
・シーズン中は1回120分程度の練習が週4日
・平日、または週末にリーグ戦がある
・シーズン後やシーズンオフは身体のケアのみで、練習は一切行わない
・学業を優先と考えているため、成績が一定以上ないとチームに所属できない
では、日本の部活動はどうでしょう。
・週6日の練習
・1回の練習時間は120分以上
・朝練がある
・居残り教訓がある
・筋トレをする日がある
・学校教育の場であり、人間形成の一環で行われている
このように、各国で練習方法が違います。
どれもメリット・デメリットがあるように思われます。
練習の中で大切にしたいこと
練習方法が違えど、一番大切にしないといけないことは次のことではないでしょうか。
・怪我をしない
・休息がきちんと取れている
・チームのインテリジェンス(コンセプト)に沿った練習ができている
・学生の場合、学業に影響が出ない
・スポーツを楽しむ
これらのことができているのであれば、
どのような練習方法でも良いのではないでしょうか。
例えば、時間を短くしているために、チーム哲学が成立できていないのであれば、
イタリアの方法がいいとは言い切れないということです。
または、練習時間が長くても、学生の本業である学業と両立できているのであれば、
日本の方法が悪いとも言い切れません。
怪我をしないためには、どのようなトレーニングをしているか、休息をとれているか、
この2点がポイントになってきます。
どのようなトレーニングをしていますか?
マシーンを使ったトレーニングは、遅筋群を鍛えている場合が多く、筋肥大してしまいます。
また、動きが単調なため、脳が働くことはありません。
これでは、人間本来のしなやかな身体を作ることはできません。
神経系トレーニングを行うことで、脳を働かせ、人間が持っている
①伸展・屈曲
②内転・外転
③内旋・外旋
④対角螺旋
の動きを鍛えることで、怪我をしづらいしなやかな身体作りが可能になります。
神経系トレーニングは正しい身体の使い方を覚えることが出来るため、
チームインテリジェンスを実現することも可能になります。
休息はきちんと睡眠時間が確保できているかが鍵となります。
寝ている間に、トレーニングで学んだ動きを整理しています。
学業で得た知識も同様に整理しています。
整理することで、脳で考えなくても動きを体現できるようになったり、
テストや授業で知識をアウトプットできるようになります。
怪我なく、正しい身体の使い方ができれば、
パフォーマンスが向上することは間違いありません。
このような時に、スポーツを楽しいと感じるのではないでしょうか。
練習方法を決めるときには、上記の5つのポイントが押さえられるように
工夫してみてください。
これらが守られたとき、身体的にも精神的にもストレスがなく、練習ができるはずです。
なぜ日本の練習方法が非難されやすいのか
全体的な面で3か国の練習方法を比べてみると、
日本の練習方法はかなり厳しいと思う方が多いのではないだろうか。
それは、大切にしたいポイントを押さえられていないことが多いからです。
私は高校でハンドボール部に所属していました。
放課後の練習は毎日2時間以上、土日は両日とも練習をしていました。
マシーンを使った筋トレを隔週で行っていました。
休息をとるために、勉強時間が少なくなりました。
そして極めつけは、高校2年生で怪我をしました。
高校生活最後の大会、最高の状態でパフォーマンスすることはできませんでした。
私の場合、大切にしたいポイントの2つを達成することが出来ませんでした。
このように、上記のポイントを押さえられていないと感じる人が多いため、
日本の練習方法が非難されているのではないだろうか。
活動量が増え、時間が長くなると、休息が満足にとれません。
前日の疲れが残ったまま、翌日の練習を迎え、上手く身体が使えなくなってしまいます。
そして、私のように怪我をしてしまうという最悪のケースが起こってします。
また、休息ができないことは学業にも影響してきます。
疲れたままきつい練習を行い続けると、燃え尽き症候群になってしまいます。
スポーツを楽しいと思う気持ちがなくなってしまう。
精神的にも追い込まれてしまうのである。
運動指導において大切なのは時間ではなく、内容である
大切にしたいポイントを押さえられていない原因を
練習時間が長いことだと考えている人が多いと思われます。
しかし、これは違います。
問題なのは内容です。
練習時間が長くなってしまうのは、戦術・戦略、トレーニング、ドリルに無駄があり、
何をどうすれば身体を上手に使うことができ、チームのパフォーマンスが向上できるか
ということがきちんと確立されていないことが最大の理由ではないかと考えられる。
曖昧なチームインテリジェンスが長時間の練習を生んでいるのである。
まずは、チームインテリジェンスをしっかりと持ってください。
練習時間を短くすることがすべてではありません。
スキルを身につけさせるに時間は必要である。
短い限られた時間の中で結果を出すには、時に多大なリスクになることがある。
・枝葉のスキル習得に練習時間を割く
・チームの幹となる部分を忘れる
・土台を崩す
・選手が目先の技術にしか興味を持たなくなる
各チームの競技へのインテリジェンスが違うため、指導者の取捨選別が鍵になる。
何を身につけさせたいのか。
それはチームインテリジェンスに対して、どれくらい重要なスキルなのか。
習得するためには、どれくらいの時間が必要なのか。
どのように教えたいのか。
これらを明確にし、練習時間や内容を決めてみてください。
そのとき、チームは更に飛躍できるであろう。
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