ルルベの姿勢を保つために必要な筋連鎖とは

運動はエネルギーの蓄積があって、エネルギーが放出される。

ルルベの場合だと、前脛骨筋にエネルギーが蓄積され、

ヒラメ筋でエネルギーを放出する。

そうすることでアキレス腱やハムストリング(半腱様筋)も連動して機能している。

ルルベの姿勢が高く保てるのはこの連鎖があるからだと前回説明した。


足首の柔軟性はあるが背屈動作が少ないため、腱反射が使えない。

そのため筋肉の連鎖が逆になっている。

筋連鎖が正しく行われないため、足首の「グニャ」という感じがでてきてしまう。

ポイントが最大限に取れない要因はここにあると感じる。

柔軟性は必要だが、その柔軟性をどう活かしていくかが大切であり、

そのカギを握っているのが、筋連鎖なのだ。



速筋の筋連鎖をメインで使うことが重要


筋肉は遅筋と速筋に分かれており、

遅筋の連鎖と速筋の連鎖では役割が違う。

特に運動の動作で最も必要とされているのは速筋の筋連鎖だ。


遅筋の種類

①ふくらはぎ

②大腿四頭筋

③殿筋群

④大胸筋、腹直筋

⑤上腕二頭筋


遅筋の筋連鎖はかくかくロボットのような動きが特徴的で、

運動中の動作には向かない。

例えて言うならば、重度のリハビリの初期段階や、筋力の低下したお年寄りに

有効的である。


速筋の種類

①足底筋

②前脛骨筋

③ハムストリング

④大腰筋

⑤脊柱起立筋、広背筋

⑥上腕三頭筋


速筋の筋連鎖は曲線を描くような滑らかな動きが特徴的で、

運動中の動作には必要不可欠である。

足底筋・前脛骨筋・ハムストリング・大腰筋・広背筋・脊柱起立筋の速筋同士が

連動して行われる。

これらが逆になっていくと、ロボットのようなカクカクした動きが増えてきて、

滑らかな曲線動作は消えていく。

運動パフォーマンスが高ければ高いほど、速筋の連鎖運動が円滑に行われている。

スポーツ選手を見ていると、柔らかく美しい。

これは速筋の筋連鎖が円滑に行われている証拠だ。

フィギアスケートや、バレエ、新体操は表現スポーツとも言われているため、

より美しく見せるためには速筋の筋連鎖を獲得すべきである。

では、ルルべの動作で考えてみよう。


ルルべに必要な筋連鎖


前回も説明したように運動学的に言うとルルべは足首の背屈から底屈へ向かう。

背屈でエネルギーをしっかりと蓄積してから、効率よくエネルギーを放出するためだ。

通常の筋連鎖は、

足首の背屈(前脛骨筋)→底屈へ行ったときに(ハムストリング)へ刺激が入る。

ですが、多く見られるのは背屈が無い状態でのルルべが多い。

足首の底屈(下腿三頭筋)→(ハムストリング)の筋連鎖になっている。

この筋連鎖では、ハムストリングへの連鎖がしっかりと行われない。

ポイント姿勢での足首の「グニャッ」という感覚はここでの筋連鎖が行われていないことが

一つの要因ではないかと考えられる。

足首の背屈(前脛骨筋)→底屈へ行ったときに(ハムストリング)への筋連鎖。

これを作っていく必要があるのだ。


足首の背屈が硬い人は「中封(ちゅうほう)」が硬い可能性あり


「中封」は、春=肝臓のツボであり、春先は硬くなりやすいので

冬から春への切り替わりであるこの時期は要注意だ。

足首が硬い原因はアキレス腱の硬さや、ふくらはぎの硬さも関係しているが、

「中封」というツボが硬くなっていることが多い。

内くるぶしの斜め前のくぼみにあり、硬く詰まると足首の背屈・外反ができない。

そのため、足首は底屈・内反しやすいのだ。

足首の底屈・外反はルルべで言うとフレクションの姿勢を作るときに重要であるため、

「中封」は絶対的に柔らかくしておく必要がある。


正しく筋連鎖を行うためのストレッチ


【ルルべの動作トレver.5】


①足首、膝を90度の角度にして座る

②手を前に出す

③①の体制のまま上へ起き上がる

20回繰り返す

https://twitter.com/i/status/1101014832013205504


【ルルべの動作トレver.6】


①かかとを35度開いた状態で立つ

②背屈した状態から底屈状態に伸びる

20回繰り返す

https://twitter.com/i/status/1101017081955250176


【ルルべの動作トレver.7】


①かかとを35度開いた状態で立つ

②肩甲骨を後ろ回ししながら、

背屈から底屈状態に伸びる

20回繰り返す

https://twitter.com/i/status/1101018218666221568


#ルルベ #新体操 #筋連鎖 #速筋 #中封 #ツボを刺激 #神経系トレーニング

”スゴイ先生” 石川貴之 オフィシャルサイト

トップレベルのコンディショニングエキスパートが集うサロン<カラダラボ>の代表。 自身のコンディショニング技術の集大成とも言える、「ゼロ・グラヴィティ理論」で 世の中の間違ったトレーニング方法やカラダづくりを、正そうとしている。

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