トレーニング再興戦略を立ち読みしませんか?Part.12
こんにちは。
「トレーニング再興戦略」の立ち読みシリーズ、Part.12をお伝えします。
西洋的な動作の定義をお伝えします。
この西洋的思想の正常な動作と、東洋的な自然な動作を組み合わせることで、ヒトが持つ能力をフルに使うことができ、誰が見ても「あのヒト、なんかスムーズに動いているね!」と、褒められます。
ボクはそんなこと言われたら、喜色満面になります。
それでは、お楽しみください。
▶︎西洋的な自然な動きとは
ボクが現場で指導者から要求されるランキング1位は「瞬発力」だ。
単純に、「ダッシュ力」や「ジャンプ力」を想像してほしい。
その「瞬発力」は、ストップウォッチや測定版を使うことで、成長度が比較的に可視化しやすい分野なんだ。
▽成長度を可視化しやすい運動能力
●ダッシュ力 → ストップウォッチ
●ジャンプ力 → 垂直跳び測定版
ちなみに、学生時代のボクは、この ”2つ” の運動能力は持ち合わせてなく、並以下だった苦い思い出がある。
「では、現場で求められる運動能力のランキング2位はなんですか?」と、思いますよね。
それは、「選手のカラダを、”しなやかに” 動かす方法はありませんかね」と。
みんな忘れてないよね?
“しなやかな” 動きは、各個人が持ち合わせる『感性』が判断基準になることを。
指導者は声をそろえて、「プレー中にカクカクした動きが多く、動作と動作の切り替えしがうまくいかない」とね。
これって、西洋的思想をもとに判断基準を設けて、可視化できるものなの?
つまり、「競技力の向上って、数字で可視化できるモノなの?」
トップアスリートになればなるほどに、動作と動作の間には "STOP" することがなく、どこか流れに身を任せているように見えるよね。
この、"しなやかなカラダの動かし方" は、しつこいくらいに伝えていますが、「可視化が難しく」「評価基準が曖昧で」「ヒトの感性」で評価されるため、各個人の高度な「感覚」や「感性」が必要であり、そもそも「測定するものではない」と思っている。
つまり、感じるものだ。
その「感性」の育て方は、もう伝えたよ。
とはいうものの、”しなやかな動作” を判断する「感性」を育てたところで、"しなやかなカラダの動かし方の定義” を知らなくては、脳が「これは、しなやかだ!」と判断してくれないと思うんだ。
なので、次はその定義を一緒に勉強しよう。
ヒトの正常な動作は、下記の4つの順序で構成されているんだ。
▽西洋医学的ヒトの "正常な動作"
① 屈曲 - 伸展
→ 手を真っ直ぐ上げ下げする
② 外転 - 内転
→ 真横に上げて下げする
③ 対角線運動
→ 右斜(右肩甲骨の場合)め上から、左の股関節を目掛けて上げ下げする
④ 外旋 - 内旋を含む対角らせん運動
→ 右斜(右肩甲骨の場合)め上で外旋、左の股関節を目掛け内旋させながら、上げ下げする
肩甲骨と股関節はとても似た構造になっている。
上腕骨の骨頭が肩甲骨に、大腿骨の骨頭が股関節に、ボールとソケットのように、「パコっ」とハマっているんだ。(※それが外れた状態が脱臼)
わずかな隙間の中で、4つのボールがソケットの中で「クルクル」回り、旋回の運動を可能にしている。
この旋回動作が、ロボットで再現するのが難しいようで、人間独特の動きだ。
そこで考えてみよう。
たとえば、ベンチプレスや、スクワットは、「屈曲 ↔︎ 伸展」を繰り返す運動であることはわかるよね。
それは、ヒトの正常な動作の第一段階でしかないんだ。
その動作を過度に繰り返すと、脳はその単純な「カクカク」した動作を学習し、本来ヒトが持つ複雑な動作をカラダで表現することが難しくなる。
脳はどんな動作でも学習して、筋肉を使って体現する特性を持つんだ。
だから、そのヒトにとって必要のない、もしくは、その競技に必要のない動作も、トレーニングで学習してしまい、意図しない動きが試合で出ることもあるんだよ。
脳ってすごいよね。
屈曲と伸展を繰り返す単純な動作は、指導者が要求する、『しなやかな動作』とはかけ離れ、「プレーの切り返しのスピードを上げたいのですが、何か良い方法あります?」という要求には、応えることはできない。
それに応えられるのは、ヒトの正常な動作の第4段階である「外旋 - 内旋を含む、対角螺旋運動」にある。
その動作こそが、「しなやかなカラダの使い方」を体現する、唯一無二のコンテンツだ。
なので、みんな汗だくになって動作を獲得しよう。
そして、もう気づいたよね。
「ヒトの正常な動作の獲得」こそが、「しなやかなカラダの使い方」を、競技で表現することだということを。
だからボクらは、そのトレーニング方法を肌で感じ覚える必要があるし、現場で何度も指導する必要がある。
だって、「可視化が難しく」「評価基準が曖昧で」「ヒトの感性」で評価される動作なんだから。
きっと、指導者に「もうこないで良いからね」と言われることもあるだろう。
でも、量をこなせば、いつか質に転換できるときが、必ずやってくる。
先ずは自分のカラダを動かす量だ。
またブラック寄りのグレーに戻ってしまったかな。(笑)
でも、やるかやらないかを選択するのは、ボクではない。
みんなだよ。
つづく
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