対角螺旋運動と正中線は運動をする上で欠かせないポイント
1.対角螺旋運動の考え方は正中線を理解すべし
さて最短で身体作りを行う7つの鍵の第3の鍵の講義を進めます。
「ここまで、PNFと対角螺旋運動について説明してきました。
この2つを体現するのには、もう1つ抑えておきたいことがあります。
それは、正中線というキーワードです。
右の肩甲骨と左の股関節を直線で結び、左の肩甲骨右の股関節を直線で結んだ線が、
最も回旋筋群が伸長し収縮し、情報のinputとoutputが促通するラインと説明しました。
そして運動は対角線上で肩甲骨と股関節が近づいたり離れたりを複雑に繰り返す。
ここまでは前回お伝えした通りです。
バンザイをしてXの字を身体で描いてます。
その身体の中心線を正中線といいます。
よく中心を軸という方もいらっしゃいますが、それとは本質的に異なります。」
※ボール&ソケットの運動要素
①屈曲・伸展
②内転・外転
③対角線運動
④内旋・外旋(螺旋運動)
「①~④の運動要素の中で②の内転・外転にあたる要素が正中線と深い関係性にあります。
対角線上に伸びている四肢は正中線に対して、一度近づきます。
そこから正中線に対して離れていきます。
例えば右の肩甲骨が対角線上の左の股関節に、内旋運動をしながら近づいたとしましょう。
正中線を通り越した際に、四方向に向かうことができます。」
①正中線を通り越し、元の位置に戻る
②正中線を通り越し、左股関節に向かう
③正中線を通り越し、外旋運動を伴いながら左の肩甲骨に向かう
④正中線を通り越し、右股関節に向かう
「つまり、運動は対角線上で回旋動作を伴いながら、
正中線を通り越すことが筋肉が伸張状態から収縮状態に効率よく行われるのです。
野球のピッチング動作は②の正中線を通り越し、左股関節に向かうパターンです。
一般的なパターンの動きで、日常の動作でも何気に使われております。
サッカーのインサイドキックを右足で行う場合、
右足が正中線を通り越して左股関節に向かうパターンに当てはまります。」
※key word
・正中線は内転・外転の動きと関連する
・動作は正中線を通り越して四方に向かう
2.マシントレーニングでは正中線を含めた対角螺旋運動が困難
昨日の小職のblogでお伝えした、脳にとって簡単な運動である、
スクワットをイメージしてください。
何故簡単かということがご理解いただけるでしょう。
両方の股関節は屈曲と伸展動作を繰り返す単純な運動になり、
対角線上で正中線に近づくことなく、直線上で運動をしていることがわかります。
ベンチプレスも同じように、両方の肩甲骨が屈曲と伸展動作を繰り返す
単純な運動になります。
屈曲と伸展動作は折り畳みの携帯電話のように、直線運動になります。
アブダクション・アダクションの殿筋群・内転筋群をエクササイズするマシンがあります。
これらは股関節屈曲状態で、正中線に近づいたり離れたりしますが、
対角線と螺旋運動が入っていないため、組み合わせのない単純な運動と言えます。
マシン器具でこれらを体現するのは、中々容易ではないようです。
しかし、屈曲・伸展の運動要素も絶対に必要なことですので、
これらのマシンを低負荷で行う+対角螺旋運動を組み込んでいただければ、
今よりも動きやすい身体が獲得しエクササイズを楽しむことができるでしょう。
チェストプレスという大胸筋をエクササイズするマシンが、
肩甲骨を後ろ回ししながら肩甲骨外旋が入り、
持ち手を押し出しながら肩甲骨の内旋が入る。
そんなマシンがスポーツジムで普及すると、
今のマシン器具より複雑な組み合わせ運動が可能になるでしょう。
MLBのイチロー選手が使用しているカムマシーンは
マシン器具で回旋運動を組み込んでます。
しかし、まだまだ一般に普及するには時間が必要なようです。
※key word
・マシンエクササイズで屈曲・伸展と内転・外転が単体で動く
3.施術で行う対角螺旋運動のパターン運動の動画
なんと今回は人気者の佐藤先生が施療者、
イケメンの山梨先生が被験者で初の動画公開です。
ストレッチも動画にしてくださいという声が多数聞こえてきてますが、しばしお待ちを。
さて、PNFの手技でも多く実用されているパターン運動です。
カラダラボでは、このような動きで脳に対角螺旋運動の動作を教育してきます。
※上肢の左手が正中線を通り越し右の股関節に向かいます
※下肢の左足が正中線を通り越し右の肩甲骨に向かいます
4.第3の鍵、対角螺旋運動のストレッチ7選
対角螺旋運動ストレッチ1
https://twitter.com/i/status/1111826640454057984
①左手と右手の甲を合わせ、右斜め上に持っていき、目線は指先です
右足を外側に倒し(外旋)、左足を内側に倒します(内旋)
体幹を右に捻り、左側の背中を床から離します
②両手が正中線を通り越し右足は内旋し、左足は外旋しながら、
左斜め下に移動させます
目線は指先のままです
③①②を繰り返し行います
反対側も同様に行います
対角螺旋運動ストレッチ2
https://twitter.com/i/status/1112244723761086469
①左手と右手の甲を合わせ、右斜め上に持っていき、目線は指先です
左足を内側に倒し(内旋)、右足を外側に倒してから(外旋)、斜め45度上に上げます
体幹を右に捻り、左側の背中を床から離します
②右足は内旋し、左足は外旋しながら斜め45度上に上げます
両手は正中線を通り越し、左斜め下に移動させます
③①②を繰り返し行います
反対側も同様に行います
対角螺旋運動ストレッチ3
https://twitter.com/i/status/1112248287224987648
①身体でXの字を書きます
②右肘と左の膝を腹の上でつけ、目線をおへそにもっていきます
③①②を繰り返します
反対側も同様に行います
対角螺旋運動ストレッチ4
https://twitter.com/i/status/1112248287224987648
①四つん這いになり右手と左足を対角線上に上げます
顔は正面を向きます
②右肘と左膝を腹の前でつけ、おへそを見ます
③①②を繰り返します
反対側も同様に行います
対角螺旋運動ストレッチ5
https://twitter.com/i/status/1112582414172209157
①右足を斜め前に伸ばし、左足を後ろにします
②頭の後ろで手を組みます
③左手で右足をつかみ、右手で左足のかかとをつかみます
④②③を交互に繰り返します
反対側も同様に行います
対角螺旋運動ストレッチ6
https://twitter.com/i/status/1112582570691059713
①左足を斜め前に伸ばし左足を後ろにします
②左手で右足をつかみ、右手で左足のかかとをつかみます
③頭の後ろで手を組み、両足を身体の前でそろえます(かかとは床につけない)
④②③を交互に繰り返します
反対側も同様に行います
対角螺旋運動ストレッチ7
https://twitter.com/i/status/1112582761322147840
①右足を斜め前に伸ばし左足を後ろにします
②左手で右足をつかみ、右手で左足のかかとをつかみます
③頭の後ろで手を組み、両足を身体の前でそろえます(かかとは床につけない)
さて、以上が最短で身体作りを行う7つの鍵の第3の鍵『対角螺旋運動編』になります。
今までのストレッチよりアクティブになってきましたね。
次号では、第4の鍵である筋肉の連鎖運動を紐解いていきます。
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