極寒や炎天下で行われるスポーツには要注意!
‐20度の極寒で行われたサッカーのリーグ戦
2018年12月1日、シベリア南部の都市クラスノヤルスクで
ロシアの国内リーグの試合が行われた。
この都市、クラスノヤルスクは過去に気温-52℃を記録したこともあるような極寒の地である。
リーグの規定では気温が-15℃を下回った際には試合の中止を要請できるようになっている。
この日の気温は-14.6度。
運営側は開催を決定したが、その後ピッチ上は-20℃まで下がったそうだ。
また、暖房の入ったロッカールームとの温度差は40℃以上になり、
選手たちは気絶しないようにアンモニアの臭いを嗅がされたそうだ。
そんな過酷な状況でサッカーをする必要があったのだろうか。
寒さに対して制限を決めているスポーツは他にもある。
例えば、クロスカントリーは-20度を下回ると中止をしなくてはならない。
リーグの倫理委員がこのようなことを言っていた。
「12月のシベリアの寒さは簡単に想像できる。
この日程を決めた者には地理の教科書を贈ってやろう。」と。
ついでに生理学の本も同封した方が良い。
身体の仕組みや寒さによって起こる症状を理解していたら、
-15度前後の寒さでスポーツを行うという考えにならないだろう。
寒さが原因で起こる症状
寒い中でスポーツを行うことで選手たちの身体にはかなりの負担がかかっている。
・内臓が凍傷する
・激しく呼吸をすれば肺にダメージを与える
・筋肉が硬直してしまい、可動域が狭まることで、ケガをしやすくなる
・手や足の末端部や外気に直面する部分が凍傷する
このように寒さによる問題は多い。
とくに女性のアスリートは寒さに対して万全の準備が必要となる。
寒さにより、腹直筋(腹筋)や筋膜張筋(太ももの付け根の前・外側)が特に硬直しやすい。
ここが硬直するとどうなるのか。
股関節が外旋できなくなるのです。(つま先や膝を外側に向けるような動き)
この動きができなくなると、女性特有の臓器、子宮と卵巣のスペースが狭まってしまいます。
スペースが狭まると、下腹部に痛みがでてしまう。
また、股関節の可動域が狭いままだと、出産に危険が伴う。
寒さによって筋肉が硬直する前に、普段からストレッチを行い、
柔軟性を獲得しておくことは大切なのだ。
炎天下でのスポーツ
では、暑い環境でのスポーツはどうなのでしょうか。
適切な運動環境を示したWBGTというものがある。
WBGTとは、気温・湿度・輻射熱の数値による暑さ指数で、
熱中症予防のために運動や作業の強度に応じた基準値のことである。
これによると、WBGTが31度以上のときは原則として運動は中止すべきと示している。
昨年の夏は猛暑が続き、2020年に行われる東京オリンピックが心配されている。
東京は都心のヒートアイランド現象により、気温上昇に加えて湿度も高く、
過去最も厳しい「酷暑五輪」とも予想されている。
特に心配されているのはマラソンだ。
スタート時間の7時には31度を超えるのではないか、という予想もされている。
先程説明したWBGTで考えたら、運動中止レベルということだ。
過酷な暑さによって心配されるのは
・熱中症
・脱水、ミネラル不足
この2つである。
熱中症は最悪の場合死に至るケースもあるほど危険な症状である。
熱中症が起こる原因の1つが脱水とミネラル不足にある。
こまめに水分補給をしたり、ミネラルが含まれる塩などを摂取することが大切だ。
東京オリンピックでは選手だけではなく、ボランティアの方や観戦者も
熱中症には気をつけなければいけない。
極寒でのスポーツも、猛暑でのスポーツも身体にかかる負担はとても大きい。
異常気象が続いているここ近年にとって、アスリート、指導者、スポーツイベント実行委員など、
スポーツに関わる人々にとって考えるべき重大な問題である。
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