【チーム作りの鍵】個の育成にあり
湘南ベルマーレ・アヤックスは、
ここ数年で、
力を伸ばしてきているチームである。
昨季、YBCルヴァンカップを制した、
湘南ベルマーレはオランダ・北ホラント州、
アムステルダムに本拠地を置いている。
2つのチームには共通点がある。
それは、
「個を育成し、チームを作りあげる」
ということである。
では、どのように指導しているのか。
湘南ベルマーレのチーム作り
曺貴裁監督は、
今季で湘南ベルマーレに就任8年目を迎えた。
チーム作りをするときに全体をどう作るか
というより、
個人のいろいろなことを解決していくうちに
全体につながるというイメージを監督は持っている。
個々の解決が複数でつながると
様々な化学反応が起き、
それがチームの骨組みになっている。
1人1人にスポットライトがあたることで、
選手が向上心を持つことができ、
自発性のあるチームを作ることができるのだ。
選手たちの考え方も
チーム作りの上で大切になってくる。
個人の問題を、
自分の問題ではない。チームの問題ではない。
と考えているようでは、
個人の問題を解決してもチームにはならない。
選手全員が個人の問題をチームの問題として
考える必要がある。
1つの問題をチーム全体で考えることで、
個人の問題がチームとして
どうあるべきかに関連づけられる
これにあたるのが、割れ窓理論。
「1つ割れている窓を放置すると、
他の窓もすべて割られ、
1つ割られたときにすぐ直せば全部割られない」
という考え方である。
チーム作りで全体をどう作るかより、
個別の問題を解決すると
チーム作りが円滑になる。
割れた窓を修復するように、
小事のうちに修復すると問題は大きくならない。
そうすることによって、
チームの成長率が上がるのである。
アヤックスのチーム作り
8年前にヨハン・クライフが、
アヤックスのアカデミーに戻って来たことが
アヤックスの成長の始まりなのだ。
そこから
ビム・ヨンクをアカデミーダイレクターに任命して、
「プラン・クライフ」
というプロジェクトがスタートした。
これによって一番変化したことは、
チームを母体とした育成から、
選手を母体とした育成への転換だ。
「チームが勝つために必要なメンバーを選ぶ」
というのが、多くのチームの基本方針である。
日本もそうだ。
オランダ以外の他のヨーロッパの国も
そうしているチームが多い。
しかし、
クライフはチームが勝つことではなく、
あくまで
個人の成長にフォーカスを当てたのだ。
例えば、
年齢やポジションに合わせて
トレーニング内容を変えたり、
負荷を変えている。
個々に合わせたメニューを行うことで、
まずは個人の能力をあげようという考えである。
また、1日の中でメニューの構成も変えているのだ。
・午前はパフォーマンスコーチに
個を伸ばすトレーニング
・午後はアヤックスのプレーモデルで
個を伸ばす
トータルフットボールを代名詞にしていた、
オランダが変革に着手し、果実が実る。
象徴的存在のヨハン・クライフが、
個人の成長にフォーカスし、
復権を果たしているのだ。
チームとして、
どのような目標や目的を設定するよりも、
個人の課題を解決し、成長させ、
それをチームとして
各選手を繋げていくことが、
最終的なチーム作りの上で重要なのだ。
なぜなら、
チームというものは、
選手がいなければ成り立たないものだからである。
チーム哲学が必要であると何度か伝えてきた。
チーム哲学とは、
監督がどのようなチームにしたいか、
どういった戦略で戦っていきたいのかという考えのことである。
そのチーム哲学が、
『個人の問題を解決し、チームを作る』
というものでなければならない。
そうでなければ、
チームの成長は見込めないだろう。
選手個人の育成を考えたチーム哲学を
監督や指導者には持っていただきたい。
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