ゼロ・グラヴィティ理論 - 理論編① -

恭賀新年


旧年中は格別のご高配を賜り、心よりお礼申し上げます。

年も改まり、これまで以上の努力をもってご要望にお応えしてまいります。

本年も変わらぬご愛顧のほど何卒お願い申し上げます。

堅苦しいご挨拶はここまで。

なにせ日本酒片手に、酔いも回りながらPCに向かい、年越しをしている「先延ばし行動派」の石川です。大晦日は富山の富美菊酒造で製造される "羽根屋 純米大吟醸50 翼" をお供にしております。ANA国際線ビジネスクラスの日本酒セレクションに選ばれた逸品でオススメです。



令和元年も相変わらずジェットコースターのような日々を過ごし、決して短いとは言えない、とても長く感じた一年です。その中でも、積み重ねたことを一つ形にできたことは大きいと思っております。それは多くのか方が手に取っていただいた著書 "ゼロ・グラヴィティ理論" の出版。15年のトレーナー生活で得た経験を体系化できたのは、これまでご協力いただいた方への感謝の印と共に、日本のスポーツ界に対して一石を投じる逸物でした。

twitterでも掲載しましたが、その中でも一番重要と思っている理論編の「サピエンス全史から見る身体作りの考え方」を3日間に分けて、無料公開いたします。


☑︎ 1月1日 ゼロ・グラビティ理論が生まれた秘話

☑︎ 1月2日 四足歩行とスポーツの関連性

☑︎ 1月3日 農業革命で生まれたヘルニアの解説


石川からのお年玉と思って、酔い覚めに拝読いただけたら幸いです。

内容に関しては本文のコピペではなく、さらに進化した内容をお届けしたいと思っております。ご購入いただいた方も深くゼロ・グラヴィティ理論を知ることができ、まだ未購入の方は購買意欲が湧くものになるでしょう。


ゼロ・グラヴィティ理論、出版の秘話

今日は出版への秘話をお話しします。

実はこの本の中身の9割は、4年前に完成していました。「そろそろ本にしようかな」と思いブログに書き綴った期間は、なんと2週間と非常に短期間で書き上げたものなのです。

記載している最中に出版社から「ブログを拝見したのですが、出版しませんか」というメールが飛び込んできたのです。

"思考は現実化する" とは正にこのことです。

元来、私は本当に自分がやりたいことであれば、思っていればそのうち叶うだろうと思う、楽観思考があります。あとは少しの運が手助けしてくれれればいけるだろうと。

出版社と話をし続けるうちに、最終的にお断りをすることになりました。決定的な事項としては "本屋には陳列されない" という事実。

日本一の古本屋街に住む石川にとってその時は、「本屋に並ばない本は、本じゃない」と考えてしまったのです。そんな経緯で一気に戦意を喪失し、『寝かす』ことになってしまったのです。

それから4年が経過し、出版への熱意がフツフツと沸いてきたのです。それはベストセラーを重ねるユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』との出逢いでした。

神保町三省堂で購入し、熟読していく中で、名言と向き合うことができたのです。

それは、「人類は二頭筋にかける資源の一部をニューロン(神経細胞)に回した」の一言。

この名言と向き合い、再びゼロ・グラヴィティ理論と向き合うことができ、完成に至りました。

二頭筋とは上腕二頭筋・大胸筋・三角筋の、自分のカラダを重力に対して支えるための筋肉です。それが二足歩行になったことで、限りなく不必要になり、その発達を神経系の発達に回したのです。

これがヒトにとって何を意味するのか。

さぁ、本文の始まりです。


---- 本文 ---- 


1.サピエンス全史から見る身体作りの考え方

人間のルーツを辿ると、四足歩行のチンパンジーから二足歩行の人間になったといわれていいます。

その進化の過程で、二足歩行を拒んでいるときがあったのです。

約250万年前に人間文化が始まり、現代まで歴史を刻んできました。

食物連鎖の中で、もっとも低い層にいた人間は、厳しい環境下で生き抜くために、常に生死と隣合わせの生活を送ってきたのです。その自然環境が身体作りのトレーニングになっていたのです。

歴史の道筋は3つの重要な革命が決めました。


① 認知革命 7万年前

② 農業革命 1万2000年前

③ 科学革命 500年前




人類が地球上で生きていく大きな流れの中で、この3大革命が歴史・文化・身体を変えるターニングポイントになったのです。

地球は45億年前に形成されました。それに比べると短い時間の中で大きな進化をしてきたに違いありません。

我らの祖先が、四足歩行から二足歩行になったのは、250万年前と推測されています。進化した人類は手で身体を支える必要がなくなり、自由になった手で複雑な作業がこなせるようになりました。

脳の発達に伴い、道具を使い、火をおこし、狩りをし、優れた学習能力を持ち、複雑な社会構造を作り、食物連鎖の頂点へ昇っていきました。


自然を感じるための五感

当時の人間は食物連鎖の中位にあり、狩りをするどころが逆に襲われる危険性がありました。

「食べなくては生きることができない」ではなく、「生きるために動物を殺めなければならない」という環境でした。

いつでも逃げられる状態で、狙った動物を正確に捕まえる必要がありました。

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感をフル活用して、地球・自然・動物のことを常日頃から意識しなければ生存競争に負けてしまう時代でした。今では五感は生きるためではなく、欲を満たすために使われています。例えば、視覚は動物を捕まえるために必要な感覚器でした。動物を目に入れる機会は、動物園内に限られる現代とは大きく異なります。

時代が進むにつれ、自然を感じる感度が落ちているのは間違いないでしょう。

本来、地球は必要なものを必要なときに与えようとしており、それをしかるべきタイミングで受け入れることで、自然界との共存が可能になります。人間も動物や植物と同じように地球に生かされている生物なのです。

現代人は化学の発展により、自然への感度が低下しました。あふれている情報に振り回され、地球に生かされているにもかかわらず、自然と同調することを忘れ、ヒトは欲求を満たすことを選んだのです。

自然と不自然の違いを感じられず、自らの感性で必要なものを判断できなくなりました。

スマートスピーカーに「今日の天気は?」と投げかけている声はロボットの音声に聞こえ、人間の機械化が進んでいるように感じます。

ダイエットブームの現代において、炭水化物を抜いたり、ウエイトトレーニングを行ったりすることが主流です。自然界の法則にしたがって生活をすることで、適正な体重、体型になるのです。

当時は木の実や果物が豊富にあり、手を伸ばせばすぐに食べることができ、身体に必要な栄養素が自然界で補えていたのです。

現代でいうと「旬のもの」を食べることが、それに近いのでしょう。

深く自然を知ることは、脳で考えることなく、五感で必要なものを感じ取れるようになります。スリムな体型を「作る」のではなく、自然と理想の体型を獲得でき、無理の無いダイエットの手法が確率されるでしょう。

生死と隣り合わせになるような自然環境下に行くのも一つの手法に思えてきます。


四足歩行から二足歩行への変化に伴った代償

250万年前、脳と中枢神経系の発達により、歩行動作に変化が起きました。移動手段を四足歩行から二足歩行に変えたのです。両足を手とし、歩行以外の複雑な仕事をこなし始めました。工夫や思考を重ねて、種々の道具を作る家庭で大脳が発達したのです。

脳の発達は身体に多くの負担をかけ、安静時の人間が消費する脳の消費エネルギーは25%に対し、ヒト以外の霊長類が、安静時に消費する脳の消費エネルギーは8%と大きな違いが生まれました。

その大小を2つの方法で支払ったのです。


・多くの時間をかけ食べ物を探すようになった

・上腕二頭筋を発達させるエネルギーを、中枢神経系の発達に回した


「人間は進化している」と仮定した場合、上腕二頭筋を鍛えて筋肥大させることは、脳の発達の邪魔をしていると考えられrます。

上腕二頭筋のエクササイズは中枢神経系の発達と相反していることがわかります。

人間は脳へのインプットとアウトプットを行い、認知・判断・行動の意思決定を繰り返します。上腕二頭筋を鍛えることは、その意思決定のスピードを鈍化させ、運動パフォーマンスを低下させることになるでしょう。

意思決定を求められるビジネスマンいおいて、情報伝達スピードが鈍化すると、仕事のパフォーマンスは圧倒的に低下します。安易に腕立て伏せを行い、上腕二頭筋を鍛えるのは控えるべきです。

人間は四足歩行ではなく、直立で移動することを選択したため、上腕二頭筋で身体を支える必要がなくなったのです。中枢神経系の発達が人間の進化そのものとするなら、上腕二頭筋は二足歩行に見合う筋肉量が求められるでしょう。


--- 文末 ---


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トップレベルのコンディショニングエキスパートが集うサロン<カラダラボ>の代表。 自身のコンディショニング技術の集大成とも言える、「ゼロ・グラヴィティ理論」で 世の中の間違ったトレーニング方法やカラダづくりを、正そうとしている。

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「カラダラボの技術は世界を変えるに違いない」

米ハーバード大学主催のコンテストで”最もユニークなスタートアップ”に選ばれるなど、いま世界で大注目の米国シリコンバレー発医療系スタートアップ【Toi Labs, Inc.】 の創業者であるヴィクラム カシャプ氏も太鼓判を押し、まえがきを寄せる。