ゼロヨガ③ - 呼吸編 -

ヨガの世界では、呼吸をすることは「エネルギーを取り入れること」にある。

西洋医学的な体内の酸素と二酸化炭素の入れ替えは、ヨガでいうと "エネルギー(気)を取り入れること" にあたり、気の出し入れをして心身を浄化し、気をコントロールすることで、心や体が活性化すると考えられている。

呼吸法も様々あり、腹式呼吸、胸式呼吸、肋間呼吸、逆腹式呼吸、これらの呼吸法を区別しない考え方、と方法論は多数ある。

したがって、これらをどう使うとヨガの目的である "自然と一体化" は実現可能なのか、様々な機関で研究が重ねられている。

呼吸で求められているものは大きく分けて3つある。


 ▷呼吸の3つの役割

①健康に役立つ

②体内の気の通りであるナーディを浄化する

③心の動きを制御する

呼吸法のマスターは心が落ち着き、自分を客観的に見ることができるようになる。

過度な喜怒哀楽がなく、理不尽なことに対して冷静に対応できるようになり、ストレスを軽減してくれることでしょう。


エネルギーである気の種類

東洋医学では、人体の生命活動を維持する不可欠の物質として、気・血・津液があると考えられ、これら個々の不調やバランスが崩れると、心身ともに病が発生するとされている。

上述したように、ヨガは "体内の気の通りであるナーディの浄化" を行うことができる。

つまり、そもそもの "気" が満ちていれば、より効果が期待できるのである。

そこで気の種類を見てみる。

気の種類は3つあり、「先天の気」「水穀の気」「清気」に区別され、これらが結合することで、一番元気な状態が作られるのである。

「先天の気」は母から受け継ぐ気で、1番の生命エネルギーとなります。腎臓に蓄えられるため、基本的には冬に養われる。

「水穀の気」は脾臓や胃の消化器官で、食物を消化吸収して得られる気である。食べ物に蓄えられた気を、体内に取り込むことによって得られるのである。

梅雨や晩夏に養われるので、この時期に何を食べるかはかなり重要度が高い。

「清気」は肺の吸収した空気から得られるものであり、大自然の中で綺麗な空気を取り込むことが必要にる。

季節は秋に養われ、この時期に山や海で綺麗な空気をたくさん吸うことは、1年分の「清気」が養われるとも言われている。

沖縄県うるま市宮城島の果報バンタは "気" で溢れる^^


▷3つの気が人体で結合する

・先天の気 - 母親から受け継ぎ、腎臓に蓄えられ冬に養う

・水穀の気 - 食べ物から取り込み、脾臓の動きが重要で、梅雨や晩夏に養う

・清気 - 肺に綺麗な空気を取り込むことが必要で、秋に養う


それぞれの季節で鍛えるべき感覚器や筋肉、運動器も変化するので、それに合わせてヨガの種目を変化すると、地球と一体化することがより可能になり効果が感じられやすい。

例えば「先天の気」を蓄える腎臓は骨を生成する作用を持ち、五感の一つの触感を養う。

つまり骨がタッチ感覚を養うのである。

それらに起因する筋肉は、下腿三頭筋を含めたアキレス腱にあたり、冬にそれらをエクササイズするヨガの種目をチョイスすると、ボールのタッチ感や骨の強化が図られる。

最終的には「先天の気」を効率的に養えることができるのである。

春夏秋冬によってどの種目を選択しヨガのポーズの指導にあたるかは、生徒さんの心身の向上を目的とするには重要な課題である。


ヨガは酸素に含まれる「清気」を取り込む

3つの気の中で、呼吸と一番絡んでくるのは「清気」であるのは、お気づきのことであろう。

空気の中にある気を取り入れるということは、「清気」を取り入れることに充当する。

海や山でヨガを行うのは、見た目や感覚的に自然と一体化するだけではなく、本質的にそこでしか取り込めない気がある。

それがヨガの呼吸で求められる一つである。

しかし、元気な状態というのは3つの気がそれぞれ元気な状態であり、バランスの取れた状態のことを指す。

綺麗な空気を吸っているだけでは本質的に元気とは言えず、腎臓や脾臓を養い、全ての気が結合し自然と一体化を成すことができるのである。


気の出入り口の3つのツボ

人間の体内には気を取り込む場所がある。

全身に散らばっており、天から気を取り込むツボもあれば、空から取り込むツボもあり、地球の大地から取り込むツボがある。

ヨガの基本的な考え方は、空気の中にあるエネルギーを取り込むことにあるが、ここでは宇宙や酸素、そして地球の大地から気を取り入れると考えていただければ良いであろう。

基本的な3つのツボを理解することにより、ヨガをしている最中そこから自然と気が入り込むような感覚が持てれば良い。

コンディショニング(身体のメンテナンス)にも使われる手法なので、身体を整える意味でもおさえておきたい箇所である。


▷気の出入り口の3つのツボ

・命門 - 頭の天辺にあり、天から気を取り込む

・労宮 - 手のひらにあり、空気が出入りしたり、人に気を分け与える

・湧泉 - 足のウラにあり、大地から気を取り込む


ヨガを行う前にこれらのツボを押し、深呼吸を5回程度行うことで、「清気」を取り込めやすい状態が作れるでしょう。


呼吸と関連の深い筋肉と呼気と吸気のストレッチ

運動を行うときに一番使われる呼吸法は腹式呼吸である。

外肋間筋、肋骨挙筋の動きで胸郭を拡大させる呼吸法で、横隔膜を収縮させ横隔膜を下げ胸腔が拡げる。

横隔膜は肝臓の右葉と左葉に挟まれているため、肝臓の軟らかさと、胸郭に付着する筋肉の柔軟性が必要になる。

呼気 = 下後鋸筋、肋下筋、胸横筋、外肋間筋、内肋間筋

吸気 = 上後鋸筋、長肋骨挙筋、外肋間筋


【呼気と吸気のストレッチ1】

①左手と右手の甲を合わせ、右斜め上に持っていき、目線は指先です

左足を内側に倒し(内旋)、右足を外側に倒してから(外旋)、斜め45度上に上げます

体幹を右に捻り、左側の背中を床

から離します

②右足は内旋し、左足は外旋しながら斜め45度上に上げます

※動作を行うときには息を吐き、止まったときには息を吸う


【呼気と吸気のストレッチ2】

①四つん這いになり右手と左足を対角線上に上げます

顔は正面を向きます

②右肘と左膝を腹の前でつけ、おへそを見ます

③①②を繰り返します

反対側も同様に行います

※動作を行うときには息を吐き、止まったときには息を吸う

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”スゴイ先生” 石川貴之 オフィシャルサイト

トップレベルのコンディショニングエキスパートが集うサロン<カラダラボ>の代表。 自身のコンディショニング技術の集大成とも言える、「ゼロ・グラヴィティ理論」で 世の中の間違ったトレーニング方法やカラダづくりを、正そうとしている。

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「カラダラボの技術は世界を変えるに違いない」

米ハーバード大学主催のコンテストで”最もユニークなスタートアップ”に選ばれるなど、いま世界で大注目の米国シリコンバレー発医療系スタートアップ【Toi Labs, Inc.】 の創業者であるヴィクラム カシャプ氏も太鼓判を押し、まえがきを寄せる。