ゼロヨガ④ - 重心の位置どり編 -

姿位の変化でトレーニング目的は変化する

「アド」はインドの古い言葉のサンスクリット語で "下向き" を意味する。

例えば下向きの犬のポーズは「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」と呼ばれ、サンスクリット語の組み合わせである。

アド = 下向き

ムカ = 顔

シュヴァーナ = 犬

アーサナ = 姿勢の組み合わせ


姿位はトレーニングにも重要なポイントで、求められる要素により変化させなくてはならない。

▷トレーニングの目的で姿位を変化させる

☑︎ 体幹からの動き出しを目的とするのであれば "四足歩行" の姿位

☑︎ 不安定状態でスピードアップを目的とするのであれば "膝立ち" の姿位

☑︎ 腱反射を促すことを目的とするならば "立位" の姿位

☑︎ 背骨の正しい位置どりを目的とするのであれば "仰向け" の姿位

☑︎ 肩甲骨の動き出しを作る目的であれば "うつ伏せ" の姿位

☑︎ 重心移動を目的とするのであれば "立位開脚" の姿位

このように、姿位によって目的が変化するので、当然に姿位とその言葉は頭の中でリンクさせなければならない。

「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」の姿位は四つ足の状態になり、トレーニング要素から見た目的は、"体幹からの動き出し" にあたる。


※トレーニングでも応用されます


気を取り入れるツボと速筋を連鎖させる

「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」は朝日を背骨に浴びせチャクラを活性化させ、エネルギーに満ちた1日を送ることが目的の一つ。

チャクラを活性化するには、大自然の "気" を取り入れることがポイントになる。

人間の気を取り入れる場所は下記の3箇所。

①頭の天辺の "百会" 

②手の平にある "湧泉" 

③足の裏にある "労宮" 

アドの姿勢を作る前に、それぞれのツボを押して腹式呼吸を5回行いポーズをとると、より「スーーーーーっ」という感じが得られる。

練習してみると、脊柱起立筋群・ハムストリング・アキレス腱が硬く、正しいポーズが取れない男性は多いだろうと感じる。

これらは速筋群といわれ、体重を支える筋肉ではなく、瞬発系のジャンプ・ダッシュ・切り換え動作時に使われる。

そして多くの方が使えていないのが現状ある。


四足の姿位は手足の重心点で効果が劇的に変化する

「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」のポーズで特に重要なポイントは、速筋群の連鎖を効かせられるかどうかで、得られる効果は多くなるのである。

基本的に四足歩行では、手と足の重心をどこに乗せるかで、連鎖する筋群が変化する。

多くの方の重心は手は親指の付け根に、足は親指の付け根のいわゆる母指球に重心をのせる。

これでは遅筋群が連鎖し、上半身は上腕二頭筋や大胸筋で身体を支え、猫背になりやすい。

下半身は下腿三頭筋や大腿四頭筋に刺激が入り、股関節や膝が屈曲しやすくなり、理想のフォームとはかけ離れる。

上手な方のフォームを見ると、手は小指の付け根に重心をのせ、手を背屈させ、上腕三頭筋や脊柱起立筋で身体を支え、背筋が伸びやすくなっている。

また、手首の背屈はツボである労宮を開き、気を取り込みやすい状態を作る。

足の裏はかかとの外側に重心をのせ、足首を背屈させ、前脛骨筋やアキレス腱、ハムストリングや大腰筋を使い身体を支え、膝が伸ばせるようになる。

足首の背屈はツボである湧泉を開き、大地からの気を取り込みやすい状態を作る。

それを生かしポーズを取ることが、速筋連鎖を取りながら気の入れ替えを行い、自然と一体化できるポイントとなるのである。


【 アドの手の平と足の裏の重心の乗せ方 】

▷手は小指の付け根に重心を乗せる

①手首が背屈し労宮が開く

(手の平が少し床から離れる)

②脊柱起立筋が伸び、背骨が立ちチャクラが活性化する

③身体を後ろに押し込め、かかとの外側に重心に乗せる


▷足はかかとの外側に重心

①足首が背屈し、湧泉が開く

(足の裏が少し床から離れる)

②アキレス腱とハムストリングが伸張する

③速筋と遅筋の拮抗が保たれ、全身の筋バランスが整う


遠位関節の背屈はエネルギーを蓄積し、掌屈(手首)や底屈(足首)は放出にあたる。

足首の運動であれば、背屈状態で前脛骨筋を収縮しエネルギーを蓄積させる。

底屈に移行し、蓄積したエネルギーを運動方向へ変換する。収縮するのは表裏の関係にある下腿三頭筋。

つまり "気" の取り入れと "運動エネルギー" の蓄積は同類で、"気" を取り入れるには、手首足首の背屈状態が鉄則である。

ドラゴンボールの主人公である孫悟空が放つ元気玉は、全宇宙の生物から気を少しずつ分けてもらう。

 "気" を体内に蓄積させる意味ではヨガと同じである。

孫悟空の手関節は、前腕の伸筋群を最大限屈曲させた背屈状態で保たれる。労宮から気を体内に取り込むための最善の方策である。


正しい四足の姿位を獲得するストレッチ

【体幹トレーニングver.1】

①四足になる

②右手と左足を真っ直ぐに伸ばす

③腹の横で足のつま先をタッチする

④左右交互に繰り返す


【体幹トレーニングver .2】

①四足になる

②右手と左足を真っ直ぐに伸ばす

③背中の後ろでつま先をタッチする

④お腹の横でつま先をタッチする

⑤もう一度背中の後ろでつま先をタッチする

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”スゴイ先生” 石川貴之 オフィシャルサイト

トップレベルのコンディショニングエキスパートが集うサロン<カラダラボ>の代表。 自身のコンディショニング技術の集大成とも言える、「ゼロ・グラヴィティ理論」で 世の中の間違ったトレーニング方法やカラダづくりを、正そうとしている。

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「カラダラボの技術は世界を変えるに違いない」

米ハーバード大学主催のコンテストで”最もユニークなスタートアップ”に選ばれるなど、いま世界で大注目の米国シリコンバレー発医療系スタートアップ【Toi Labs, Inc.】 の創業者であるヴィクラム カシャプ氏も太鼓判を押し、まえがきを寄せる。